わたしだって色々と考えてるんです。こんなこと言ったら困るかなあとか、恥ずかしいなあとか、ちゃんと考えた上で発言してるんです。だ、だから、そんなに即答で拒否られると、すごく傷つくんです、よ!



「新婚さんごっこ、したいの」
「イヤです」



(ひ、ひ、ひよのばか!ばか、このやろう・・・!)先日、わたしは密かに恋心を抱いていた日吉若くんに遠まわしに分かりづらい告白をされ、お付き合いすることになりました。(ちなみに先日の風景。「さんあなた俺の傍にいた方がきっと幸せににゃれ、なれると思うんですけど(やばい噛んだ)」「ま、まじですかわたしひよのこと好きなんですけど」「そうですか」)部活の先輩であるがっくんたちに対してもクールで冷たいひよですが、なんだかんだで結構優しいので、わたしのことを好きでいてくれてるんだなあと安心している今日この頃です。
で、新婚さんごっこというのは、あれです、あの、旦那さんが奥さんを抱きしめてもしくは持ち上げてぐるぐるーって回る、あれ。やりたいんです。なのに聞きました?イヤです、って即答ですか。な、なにをクールぶっておられるのですか!若って呼んだら嬉しそうな顔するくせに!(そういうのがすごい可愛いんです、え、えへ!)



「ねえ、ひよ」
「イヤです、何度言ったら分かるんです」
「ま、まだ何も言ってない」
「じゃあなんですか、言ってみて下さいよ」
「新婚さんご」
「イヤです」
「ひよ!」
「なんですか」
「だ、抱きついていいですか」
「・・・TPOをわきまえて下さい」



そこまで拒否されると不安になってしまうというのが乙女心というものでありまして、なんだか泣きそうで仕方がない気持ちを我慢してわたしは会話を続けるのでした。「ねえ、ひよ」「なんですか」「わたし、ひよ好きだよ」「そうですか」ひよがそっぽ向いたまま喋るし、対応が素っ気なくてどうしようもないんですね。どうしようもないから、その場はそのまま終わったんですね。(だって!このまま話してたら泣いてしまいますからね・・・!ひよのばか!)(う、うそです、ひよ悪くないよ)泣きそうだったのは気づかれてないはず、だと思いたいです。
翌日ひよを発見したので、昨日の気持ちがのもやもやが抜けきれてないわたしは、抱き付くというよりタックルかます勢いでひよに突っ込んでみたんです、ね。(TPOとかわきまえられなくて、ほんと申し訳ないです、はい)



さん」
「なんですか日吉くん」
「なにしてんですか」
「ごめん、なさい」
「泣いてるんですか」
「泣いてないよ」
「昨日泣いてませんでしたか」
「・・・泣いてないよ(一応、ぎりぎり)」



まだ何か言葉をつなげようとしたのですが急に足が宙に浮いたからびっくりして何も言えませんでした。



「あれ?もういいんですか、新婚さんごっこ」



「わ、わ、若」
「!・・・な、なんですか」
「わたし若すきだよ」
「・・・そうですか」



シュガーレスに愛を込めて

(無糖に見せかけるのは、得意ですか)(砂糖がないなら変わりに愛を送ります)



(仕方ないじゃないですか好きな人に好きだなんて言われたら・・・なんて返せばいいんだ俺は!)